「ごめん」

「ヘーキ。気にしないで」

藤枝君、そんな顔しないで。

抱きしめられて、本当はちょっぴり嬉しかった。

そう言いたかった。

でも、心配そうに足を必死に冷やしてくれる藤枝君を見ると何もいえなくなってしまう。


藤枝君は、急いで受付のおばさんからもう一枚湿布を貰ってきてくれて、今度は私の足の甲の上にそぉっと貼ってくれた。

「ハルナちゃん……あの……」

藤枝君が何かを言いかけた時、ケイタイの着信音が鳴る。