ブォーっと言う軽快な轟音に、隣りの淫らな声はたちまち掻き消されてしまう。

「ふふっ♪ラブホでこんな健全なことしてるのって私達くらいだよね」

なんて言えるゆとりも出てきた。

でも、藤枝君からの返事は無言。

「藤枝く……」

振り向いたとき、彼の切なげな瞳が私の瞳とぶつかる。

「……じゃ、不健全なことでもする?」

彼は囁くと、そっと後ろから私を抱きしめる。