どれ位、抱きしめられていたんだろう。

藤枝君は私から体を離すと、

「時間がない。始めるね」

彼は立ち上がると、洗面台の方へ向かう。

しばらくするとカチカチと言う音の後に、ドライヤーのゴォーと鳴る音がした。