その時、機械からアナウンスが入る。

「○×行きの電車が発車致しますぅ~」

間延びした電車の発車を告げる放送に二人して目を合わせる。

「凄い。本当に駅にいるみたいだね」

藤枝君が笑いながら私を見るから、私もつられて笑ってしまう。

緊張していた気持ちが一気にほぐれて行く。

二人で大笑いしていると、藤枝君のケイタイが鳴る。