「何?どうかしたの?そっちに行ってもいいかな?」

藤枝君は、私が手に持ったドライヤーとバスルームのクリアガラスを見て、瞬時に事態を把握してくれた。

「じゃぁ、ハルナちゃんが上がってからドライヤーで乾かすよ。

お風呂から上がったら、このバスローブを使うといい。ゆっくり入っておいでよ」

ほっ……。

私は、浴衣を脱ぐと、足元に気をつけながら、真っ暗なお風呂に入っていった。

電気を点けたかったんだけど、スィッチの場所が結局分からなくて諦めた。