「藤枝君、私やっぱり……」

私は、彼に背を向けて走り出そうとした。

でも、くじいた足が、また、ねじれてしまい倒れそうになる。

「危ない!」

倒れると思った。

でも、藤枝君の腕の中でキャッチされる。

「君の嫌がることはしない。誓う。だから、お願いだ。ムチャしないで」

「藤枝君……」

彼があまりにも真剣な目で言うから、私はその手をとってエレベーターに乗り込んだんだ。