コンビニの中は強く冷房が掛かっていて、雨に濡れた体を一気に冷し、体温を奪っていく。

私は冷房の寒さから、両腕を抱き締めた。

「寒い?」

藤枝君こそ私にシャツを掛けてくれたから、半袖のTシャツ1枚で寒いはずだ。

「藤枝君、寒いでしょ。これ返すね」

「いいから着てて」

藤枝君はウインドウの遠くに視線を移すと、私の頭を再度シャツで包む。

「やっぱり、今のうちに行こう。ちょっとごめんね」

次の瞬間、彼は軽々と私を抱き抱える。