藤枝君と目が合うと切なくなってしまう。

目からそんな気持ちが零れ落ちてしまいそうでドキドキしてしまう。

私は極力彼と目が合わないように何度も目線を逸らしていた。

コンビニに到着すると、中は同じように雨から避難する人でごった返していた。

「参ったな」

藤枝君は雨で滴る髪を掻き揚げながら、さっきから見ていた方角を、もう一度チラリと見て考え込んでいた。