「とりあえず、コンビニに避難しよう」

雨はますますひどくなり、バケツをひっくり返したような豪雨になってきた。

藤枝君はコンビニに向かいながらも、コンビニとは別方向の何かを見ながら、ボタンダウンのシャツを脱いで私の頭に掛ける。

「ハルナちゃん、足、大丈夫?」
「え?うん。なんとか」

藤枝君が、さっきみたいに私の肩に手を掛けて体を引き寄せて歩く。

藤枝君と触れ合ったところからほのかな温もりが伝わってくる。

「温かい……」

「え?!何??」

藤枝君が体を傾けて聞き返してくる。

「う、ううん。何でもない!」