「あった!」

サラは古くて大きなオルゴールを見つけ出すと大事そうに抱きしめて、僕の手を取り階下へと走った。

「ママ!あったよ!」

サラのお母さんがゆっくりとねじを回すと、とても心地良い温かな音色が聞こえてきた。

トロイメライ

僕の大好きな曲だ。

「これをトールに。少しでも心が癒されますように」

サラとお母さんは優しく微笑むと、涙ぐむ僕を二人で抱きしめてくれた。