彼は上着の内ポケットに手を忍ばせ、2枚の写真を僕のベッドの上にポンと放り投げる。

その写真には、僕、そして両親がそれぞれ別れて飛行機から降りてきた航空機事故当時の様子が写されていた。

キンケイドは、写真をこつんこつんと人差し指で叩きながら質問を続けた。

「僕は君に非常に興味を持ってね。で、調べたんだよ。

だけど、変だなぁ~。調べようにも、君の名前も、ご両親の名前も、搭乗者記録には無かった。どうしてだろうね?」

僕は驚いて、思わず顔を上げてしまった。

キンケイドは張っていた網に獲物を捕らえたと言わんばかりのくつくつとした笑いを漏らす。