僕は一刻も早くここから逃げ出さなくては、と必死に考えを巡らせた。

ドアを見ると中からは開かないよう特殊なロックが掛かっていて、赤信号のタイミングで戸を開けて逃げようとしても、絶望的な状況であることが分かった。

男は僕に目隠しをしていない。

それは、この男が僕を生かして返す気など毛頭無い事を示唆している。

逃げるんだ。

そのためにも、とにかく、考えるんだ!

背中をゆっくりと汗が伝った。