「仕方ないな。ハルナ……今日はあそこのホテルにでも泊まるか?」


かずにぃが海沿いの向こう側に見える小さなラブホテルを指差す。



ラ、ラブホテル?!

まさか、かずにぃ……

冗談だよね?

驚きすぎて、声が出ない。




言葉では冗談っぽく言っているかずにぃ……。


なのに、その真剣な表情に思わず体が硬直してしまう。



すると、かずにぃは、ハンドルを抱え込むようにして、顔を腕の中に埋めながら大笑いする。



「冗談だよ、冗談!何、マジにとってんの?ははっ。変なカオ。固まってるし」