深いブルーの瞳の、肩に掛かるカール気味のブルネットの髪の女の子。

年は10歳位だろうか。

スラリとしたその女の子は出窓の戸を開けると、「誰?」と言って上から僕を覗き込んだ。

僕はびっくりして、思わず草を払いながら立ち上がると、帽子を脱いで頭を下げた。

「あの……ピアノの調べが凄くキレイだったから。つい……。ごめんなさい!」

僕は慌てて仲間の待つ原っぱへと駆け出した。