「お疲れ様。トオル」

ダディが来て、僕を抱き締め、夫人の後を引き継いで心肺蘇生をした。

するとその男性は程なく息を吹き返した。

僕は、嬉しさのあまり大声で泣きじゃくって、まともに言葉が出なかった。

おじさんは苦しそうな息をしながら、僕においでおいでをした。

そして、僕の手を取ると、微笑んでくれた。

「ああ……。天使かと思った」
「そうよ。きっと、この子は神様が遣わして下さった天使に違いないわ」

夫人もいつの間にか側まで来て、涙を流しながら僕を抱きしめてくれた。