だけど、医療器具が足りない。

それに、僕だけの力では患部の固定は無理だということは判っていた。

そこで、スチュワーデスさんにお願いして、機内から雑誌や新聞を集めてもらい、添え木の代わりになるものを作り、それを患部に当て、裂いた布などで固定するように指示していた。

両親は途中で僕の存在に気付いたようだけど、もう何も言わず手当てを続けていた。

患者が思っていたよりも重症で、しかも多人数であったからそれどころではない状況だった。