怪我人の殆どがファーストクラスに集められていた。

シートベルトの装着が間に合わなかったのだろう。

顔や手や足を切って血を流している人々、骨折したらしい人々が医師の手当てを待っていた。

ダディとマミィはそれぞれ重症と思しき患者さんの手当てから始めていた。

医者はどうやらダディとマミィしかいなかったようだ。

僕は、2人の死角に回りこむと、近くにいる右腕を骨折をした患者の手当てから始めた。