ダディとマミィはシートベルトを外すと、医者であることを名乗り出て立ち上がった。

そして、二人は僕の方を見ると「徹は、ここにいなさい」と、僕を制した。

「僕も行く!僕独りこの席に残されるのは嫌だ」

「スチュワーデスさんが一緒にいてくれるから大丈夫だよ」

「でも、今は一人でも多く、手助けが必要なんでしょう?僕も手伝う」

それでも、危険だからとダディは僕を座席に座っているように命じた。

僕は、大人しく言うことを聞くふりをして、その場をやり過ごした。

そして、スチュワーデスの目を盗んで二人の後を追っていったんだ。