落としてしまった写真立ては、ダディが寝ている隙にきちんと直して元の場所に戻しておいた。

アメリカに帰る日。

小雨が降る中、僕達は重い荷物を引き摺りながら成田空港に着いた。

搭乗予定の飛行機が僕達が来るのを待ちわびているように見えた。

とにかく一刻も早く日本から離れるんだ。

不意にそんな衝動に駆られた。

搭乗を告げるアナウンスを聞きながら、ようやく僕は安堵した。