「どうした。徹?最近、元気が無いな」

成田空港に向かう電車の中で、ダディが僕のおでこに手を当てながら聞いた。

僕は聞けないでいた。

あの写真の女の人が誰なのかを。

もしかしたら……。

ううん、ちがう!

僕は、隔世遺伝なんだ。

きっと、ダディかマミィのどちらかの家系に金髪で緑の瞳をした人がいて、僕はその人の遺伝子を受け継いだんだ!

だけど、そう強く思おうとしても、写真の女性の顔がずっと頭から離れないでいた。