「どうしたの?」

「いや。確かこの辺だったはずなのに。

ちょっとこのまま車の中で待ってろよ。

そこのコンビニで聞いてくるから」


かずにぃは車をコンビニの駐車場に止め、お店の中に入って行く。


中で待っているように言われたけど、ちょっと顔が火照ってしまった私は、車から降りてコンビニの前に広がる海の風に当たる。


何で藤枝君のことなんか思い出してしまうんだろう……。


ぼぉっとするとすぐにあの碧眼に心が捕われてしまう。


いけない。

また……!

慌てて首を振る。


しばらくして、かずにぃがコンビニから歩いてきて、申し訳なさそうに片手を立てる。


「悪い。『アンの家』、なくなってた。情報が古かったみたいだな」