私はちょっぴりムッとする。

せっかく、買ってもらっているところを悪いけど、藤枝君ってば少しイジワルだ。


「ありがとう。藤枝徹君」


「あれ?何で僕の名前を知ってるの?」


藤枝君のびっくりした顔を見られて、勝てたようで嬉しい。


「だって、あなた、有名人だもの」


「へぇ……」


感心したように藤枝徹君が私を見つめる。