「本当だって。今度こそ優しくするから」

それでも、ハルナは疑いの眼差しを俺に向けている。

オレは半ば強引にハルナからブラシを奪い取るとソファに座りなおし、こっちにおいでと手を振る。

諦めたように、ハルナは、オレの前にちょこんと座り、とかし方の説明を始める。

「まずね。優しく髪の下の方の表面だけにブラシを通すの。

それから、ブラシが通るようになったら、段々深くブラシを入れて、で、こんがらがったら、髪をその上のあたりで掴んで、もう一度優しく通して……」

なんだ、女を抱くのと同じじゃないか。

説明を聞きながら、オレはその通りにハルナの髪にブラシを通す。

優しく、ハルナが痛がることのないように注意しながら。