ウーロン茶が二人の手から摺り抜けて転がり落ちる。


二人で慌てて追い掛けたんだけど……


ボトン


……溝に落ちちゃった!


「あ~……。ウーロン茶がぁ……」


がっくしうな垂れて、溝の汚水にぷかぷか浮いているウーロン茶を恨めしそうに見る。


「ごめんなさい……。せっかく、買ってくれてのに……」


「君……、見かけはしっかりしているように見えるんだけど、実はトロかったりするよね」


藤枝徹君は笑いをかみ殺しながら、新たに自動販売機にお金を投入する。