ハルナはキッチンの隅で泣いていた。

オレに気付くと、泣きながら謝った。

「勝手に入ってごめんね」

謝るなよ、ハルナ。

オレが悪いんだ。

「あの部屋は汚れてるんだ。

だから……、その……、見られるのが恥ずかしくて、さ。

今度、掃除しとくから」

ハルナはかろうじて笑顔を返してくれた。

オレはその笑顔を見つめながら、彼女を抱きしめたい衝動を必死で堪えていた。