「君さ。この世の終わりみたいな顔してたよ、さっき。

それに、これはこの間、君にカバンをぶつけちゃったお詫び。

遠慮しなくていいから。

で、どれが飲みたいの?」


彼の笑顔に押されて、私はおずおずとウーロン茶を指差す。

彼の細長くてきれいな指が、自販機のボタンを押す。


「はい。どうぞ」

彼はにこやかに笑いながら、私にウーロン茶を差し出す。


「あ、ありがとう……ございます」


だけど、軽く指が触れてしまって、私は驚いてとっさに手を引いてしまう。