ひどいよ~!


誰?


笑ってるのは!


笑い事じゃないんだから!



キッとにらみながら後ろを向くと、そこには藤枝徹君が立っていた。


藤枝君!

い、今まで……見てたの?

恥ずかしさに顔が真っ赤になる。

でも、そんな私の隣に彼が並ぶ。


「買うのどれ?おごるよ」


彼は笑いをかみ殺しながら、自動販売機にお金を入れ始める。


「そんな……いいです。あなたにおごってもらうわけには……」


私が手で遮ると、彼はほんわりとした優しい笑顔で笑う。