「カズトさん、矢部先生がお呼びでしたよ」

「何?何、笑ってんのさ?」

「矢部先生ったら、余程、あなたのこと気に入ってるのね。

ここに来ることが分かったら必ずお呼びになるんですもの」

「はは。孫みたいに思ってるのかもね」

「まぁ!先生はそこまでお年寄りじゃないから、聞いたらお怒りになるわよ」

かなえさんは、ぷっと吹き出して笑った。