その時、聞きなれた声が交番の方から聞こえてきた。

「かずにぃちゃ、迷子なの。探して!!」

ハルナは、泣きながらお巡りさんに必死に訴えていた。

「ハルナ!」

オレが近寄るとハルナのヤツは、オレにしがみついて泣き出した。

「かずにぃちゃ!大丈夫だった?!恐くなかった?」

「ばっかやろぉ。それ、オレのセリフだろ?!……独りにしてごめんな」

オレは力の限りにハルナを抱きしめた。