「私達、出会ってまだ1ヶ月も経ってない」


私の言葉に藤枝君が首を振る。


「それは違う」

「違うって?」

「君は覚えていないかもしれないけど、僕達は2年位前に出会ってるよ。

少なくとも僕は覚えてる」

「2年前?」

「次に見掛けた時、君は可愛い花のブーケと小さな紙袋を持って泣きながら走ってたね」

「え!?」

「あの時は……、確か、腰くらいまで髪があったかな」


私は驚いて立ち上がる。