藤枝君は携帯で別荘に連絡すると、ふぅっと溜息を吐いてガードレールに寄り掛かる。

「今から車で迎えに来てくれるって。

でも、海岸線沿いはすごく混んでいるみたいだから、遅くなるかもしれない。

これ以上、腫れないといいけど……」

藤枝君は、全く動かない車列を見ながら、私のことを心配してくれる。