芝生のあるところまで来ると、彼はそっとその上に座らせてくれる。


海上には大きな枝垂れ柳の花火が満開の花を咲かせ、観客の歓声が一層大きくなっている。


しだれ柳の先端がキラキラと星のように光りながら流れ落ちると、辺りからは拍手が沸き起こる。


藤枝君はおもむろにパーカーのポケットに手を入れ、小さな箱を取り出すと、



「これ、開けてみて」


と私に差し出す。