藤枝君は、改まった感じで二人に恭しくお辞儀をする。


「今日は遠かったでしょう?」

「そんなことありませ~ん!
憧れのトオル君を間近に見て喋れるなんて、もう死んでもいい!!!!!」


トモとスズの2人は藤枝君の両サイドに回り込む。


「あのぉ、一緒に歩いてもらってもいいですか?」


快くうなずく藤枝君の腕に自分たちの腕を通したかと思うとしな垂れかかる。


ふ、2人とも……すごい行動力。


彼は困惑しつつも、当り障りのない会話をしながら私達をエスコートしてくれる。