「……っ!いった……い。ズクンズクンする……」

私はお腹を抱え込むと、その場にしゃがみ込んでしまう。

「じ、陣痛ってお前……。出産予定日までまだ……」

「片岡、すまない。荷物を頼む」

トオル君は、素早くちらっと腕時計に目を落とし、動揺するカズトに、自分の荷物を渡すと、私をひょいと抱え、慎重に階段を上る。