しまった。

しかも会話が思いつかない……。

長引く沈黙に、心なしか鼓動が速くなってしまう。



「あのぉ……藤枝君、花火はどこで見るの?」


やっと言葉が口から出てきてくれてほっとする。


「友達が場所を取ってくれてるんだ。結構、いい場所だよ」

「そっか。楽しみだね」

「うん。楽しみだね」


そして、再び長い沈黙が二人の間を通り過ぎる。