「行っておいでよ。君は君自身のものだ。

片岡のものでも、僕のものでもない。

君はいつだって自由な翼を持っているんだ」

「……トオル君、ごめんね!私、行って来る!

でも、待っててね!必ず……必ず帰ってくるから!」

トオル君は私の元に駆け寄り、強く抱き締める。

「僕はいつだって君のそばにいる。

どこにも行かない。

だから安心して行っておいで」

「うん……」

私は背伸びして彼の首に腕を回し、彼を強く抱き締め返す。

「ありがとう。トオル君……行って来るね」

トオル君と私は抱き締め合ったまま熱いキスを交わすと、私はカズトを追って駆け出した。