「泣き虫で嘘つきな花嫁さん……。

このワルツに想い出でもあるの?」



聞き覚えのあるその声に驚き、顔を上げる。



「トッ、トオル君!どうしてここに……」

息が止り、言葉が喉の奥に引っ掛かる。

「アメリカに帰るって……」