あの日の電話以来、ずっと何かを言いたそうにしていたトモの横を会釈しながら通り過ぎ、足早に控え室を目指す。


控え室に入るなり、お色直しのドレスを着ている私の顔を見ながら、介添さんが心配そうに声を掛けてくる。


「まぁ……。大丈夫ですか?お顔が真っ青ですよ」

「……大丈夫です。でも……、5分だけ、横になってもいいですか?」