冷気に体を震わせながら室内に入る前に、もう一度、一番星を見上げる。

トオル君も遠いアメリカで、きっとこの星を見上げてる。

そう思うだけで、胸が熱くなる。

金色に輝く一番星を見上げて私は話しかける。





「トオル君……。

明日、16歳の誕生日に

私……『片岡春名』になります」