「かずにぃ!い、た……い」

私は喘ぎながら必死にかずにぃの身体を離そうと抵抗する。


怖い!

かずにぃが怖い!

全てを奪い去るような激しいかずにぃが。


車から逃げようと、ドアを開ける私の手をかずにぃが掴む。


かずにぃは、私の頬を両手で挟んで、鋭い目を向けながら詰問する。

「さっき叫んでた藤枝って、誰だよ?」