初めてここで会ったあの日……。

トオル君の乗った車椅子を押して、咲き乱れる花々の中、春を追い駆けた……。

あれから再び出会ったトオル君は謎ばかりで……

いつも淋しそうにしている横顔が気になった。

そして、少しずつ打ち解けていくうちに柔らかく笑いながら、髪を掻き揚げるしぐさが好きだった。