自宅までの車中、私達はまったく言葉を交わさなかった。


でも、部屋を出てからのあの重苦しい雰囲気が無くなって正直ほっとした。


だけど、今はただ何も思い出したくない。

ただ、怖くて……。

痛くて……。

恥ずかしかった。


頭の芯がぼぉっとしていて、今はただ、車に体を預けて揺られているのが精一杯だ。