トオル君はふっと笑うとゆっくりと立ち上がり、私に背を向けると、庭に続く戸の方に歩いて行く。

「今の皆川さんの電話……」

トオル君は両手でカラカラと音を立てて戸を開けると、下駄を履いて庭に出て行く……。