「カズトを……カズトを思い出してしまうの……」

トオル君の表情が強張るのが分かって、胸が痛む。

「……そう……か」

彼は唇をきつく結ぶと、天井を見上げた。

「ごめんなさい……」

どんなにトオル君が知りたいと望んでも、言うべきじゃなかったんだと私はひどく後悔した。