「お前の心配はありがたいけど、父親としてせめてアカンボのミルク代とかオムツ代くらいは、出したいと思ってる。
何もかも、親掛かりってのもなんかイヤだしな」

「でも……」

「それに、こういう医学用語は結構何回も同じのが出てくるから、そのうち慣れてどんどん速く訳せるようになるし、自分の勉強にもなって一石二鳥」

カズトはそれから数行ほどスラスラと書き込むと、

「終わった……」

と言ってパタンと辞書を閉じた。