「医療系の英文とか独文の翻訳は金になるからな」

カズトは英英辞典に目を落としながら笑った。

「でも、学校に、ボランティアにゼミのお手伝いに……カズト、ほとんど寝てないよ」

私はベッドに腰掛け、枕を抱きしめながら、彼の無茶とも言える暮らしぶりを心配した。