彼は手を離すと、考え込んでいるようだった。

「ハルナ、今、妊娠何週目」

「……19週目」

「じゃぁ、大丈夫かな。とりあえず、宿に入って安静にした方がいい」

トオル君は、タクシーを止めると行く先を告げる。

「赤ちゃん、大丈夫?」

「……恐らくね。後5分ほどで着くから」

私は彼に膝枕をして貰いながら、やがてタクシーは宿に着く。