その日の京都は、東京よりも少し気温が低くて、カーディガン1枚の私は、肌寒さに腕をさする。

トオル君は、コートを脱ぐと私に掛け、肩を抱いてくれる。

私は彼に肩を抱かれながら、涙を拭き拭き、碁盤目のような京都の町を歩いた。

「大丈夫?」

彼の言葉に頷いたけど、数歩も歩かないうちに、突然、お腹がキューっとなるような痛みにうずくまる。