私は踏ん張っていた足の力が抜けて、その場に座り込んでしまった。

「あっ、あれ?」

昨日散々泣いたばかりでもう涙なんか残っていないはずなのに、温かい涙が頬を伝う。

涙を袖で拭っていたら、立爪のリングがガリッと眉に当たる。


「いたっ!」

慌てて、リングを外すと、箱にしまった。