「私も、ごめん」

カズトの背中が微かに震える。

「でも、でもね。何もなかった。本当だよ……」

「……何で、行ったんだよ」

「ちゃんとお別れを言おうと思って……。

カズトが気にしていたペンダントも、彼に返さなきゃって……。

そしたら、トオル君、両手を怪我してて……。

ほっとけなくて、それで……」

「ほっとけよ!やつのことなんか!」

「……だって、ひどい怪我をしてたんだよ?!」

「でも、相手はトオルだぞ!」